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【第2日】波乱の序章か――男子第1シード・福岡第一敗退!

2018年8月3日

「平成30年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(以下、東海インターハイ)」の2日目は男女のシード校がそろって登場した。シード権を獲得することは、優勝を目指すチームにとって非常に重要な要素となる。というのも、インターハイは夏の盛りにおこなわれ、立っているだけでも体力を消耗してしまう。さらに今年は例年以上の酷暑である。いくら元気な高校生といえども1試合を戦えば、その疲労は並大抵のものではない。シード権を取ることで試合数を少なくすることは、たった1試合分ではあるが、よりフレッシュな状態でプレーがしやすくなるわけだ。

 その一方でシード権を獲得したチームにはデメリットもある。いくら強豪校であっても未完成の高校生プレーヤーたちであるため、初戦を勝ち抜いてきたチームの勢いに、知らず知らずのうちに飲み込まれて、敗れてしまうこともあるためだ。それが俗にいう「魔物」の正体である。

 男子の第1シード・福岡第一(福岡)はまさにその「魔物」に夏の扉を閉じられてしまった。実践学園(東京)に【53-61】で敗れたのである。
「やらかしてしまった……久々にやらかしてしまいましたね」
 試合後、福岡第一の井手口孝コーチはそう漏らした。
「スカウティングした実践学園と少し違ったんです。もちろん試合中に修正はしたんだけど、もう少し丁寧に修正してあげればよかったのですが……」
 相手の選手起用をシュミレーションし、そのときのマークマンも決めていたという。しかしスタメンを休ませたときに、代わりに出た選手をうまく機能させることができなかったというのだ。そこでイージーな失点を献上し、自らのリズムを崩してしまった。
 多少であれば、リズムを崩されても勝てる。今年の福岡第一はそれだけの力を持っていると思われていた。だからこそ優勝候補の一角に名が挙げられたのである。しかし今日のリズムの崩壊は想定外のものだったようだ。
 もちろん2人の中心選手が「FIBA U18アジア選手権大会」に出場するため、今大会に不参加であるという不利はある。しかし井手口コーチは「それは初めからわかっていたこと。そのためのチーム作りもしてきたわけですから」と、そこに敗因を求めようとはしない。ただ「そのためのチーム作り」が実践学園戦に関していえば、すべて裏目に出たと言うのである。
「東京都予選のビデオを見たとき、周りの人は『今年の実践学園はさほど強くない』と言うんですが、僕にはそうは見えなかった。彼らは強いと。中学時代に全国大会を制したキャリアもあるし、勝負所を知っているなと。でも今大会のウチは下級生が多くて、競り合うゲームの経験が少ないんです。唯一それがある小川麻斗も途中でケガをしてしまったし」
 ゲームの勘所を突く経験は一朝一夕でなるものではない。また、一人それを持つ選手がいても、バスケットボールがチームスポーツである以上、それを波及させることは決してたやすいことではない。
 勝った実践学園の高瀬俊也もキャリアが強みのひとつであると認める。
「確かに彼らは経験のある子たちです。だから相手が福岡第一であっても、ほかの強豪校であっても物怖じすることなく戦うことができる。もちろん中学バスケットと高校バスケットは違うものですが、そうした経験もひとつのアドバンテージですよね」

実践学園の抱負な経験は、大一番でのディフェンスに生きた

実践学園の抱負な経験は、大一番でのディフェンスに生きた

 もちろんキャリアの差だけが勝敗を分けたのではない。
 実践学園が東海インターハイにおいて福岡第一戦をひとつの「山」と考え、準備を重ねてきたことも勝利につながった。
「僕たちは決して身長の大きなチームではありません。だからガードとフォワードもインサイドにカバーに寄ってきて、福岡第一の留学生を抑えることができました。同じ東京には八王子学園八王子という、やはり留学生を擁したチームがあるので、その対策がこの試合でも生きたと思います」
 そう振り返るのはキャプテンの小玉大智だ。186センチの小玉が200センチ前後の留学生を一人で守り切るにはあまりに負担が大きすぎる。ならばチームメートがそれをカバーし、みんなで守ればいい。口で言うほど簡単なことではないが、実践学園はそうしたチームディフェンスを時間をかけて築き上げたのである。

実践学園④小玉大智

実践学園④小玉大智

 そしてもうひとつ、忘れてはいけない勝因がある。
 小玉は中学時代から「笑顔」をテーマにしてきた。しかし「みんなが黙っているときは自分がイライラして、フラストレーションを溜めているときなんです」と振り返るほど、我慢しきれないところがあった。。
「でも、今日はエントリー外のチームメートも観客席から『笑顔だぞ!』と声をかけてくれて、それで平常心を保つことができました。僕はキャプテンですが、一人では何もできません。みんながそうして支えてくれたから、今日は最後まで笑顔でプレーすることができたんです」
 小玉とは彼が中学2年生のときからずっと同じクラスで担任を受け持っている高瀬コーチも「いつもなら小玉をはじめとして我慢できずに自滅することが多いチームなのですが、今日は小玉が最後までよく我慢強くプレーしてくれました。それも彼の成長のひとつだと思います」と認めている。
 チームメートに支えられ、コーチからもその成長を認められた小玉の笑顔も勝因のひとつに挙げていいだろう。
「高校はこれまでの全国の最高成績がベスト16(昨年度のウインターカップ)なので、それをもうひとつ超えていきたいです」

男子第1シードが早々に敗れる波乱。明日3日目の各試合も目が離せない

難敵に競り勝ち、喜びを爆発させる実践学園。男子第1シードが早々に敗れる波乱で明日3日目の試合も目が離せない

 第1シードが大会を去った男子だが、女子も第5シードの精華女子(福岡)が初出場の高知中央(高知)に敗れる波乱が起こった。桜花学園(愛知)も昭和学院(千葉)に残り2秒で逆転勝利をあげるなど、何が起こるかわからない東海インターハイは明日、ベスト8をかけた3日目を迎える。

実施要項GUIDANCE

試合日程・結果SCHEDULE

8月2日(木)   男女1回戦

8月3日(金)   男女2回戦

8月4日(土)   男女3回戦

8月5日(日)   男女準々決勝

8月6日(月)   男女準決勝

8月7日(火)   男女決勝