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【第3日】未来の日本代表候補たちが味わった苦い敗北

2018年8月4日

「平成30年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(以下、東海インターハイ)」は大会3日目を終え、男女のベスト8が出そろった。

【男子】
八千代松陰(千葉)、中部大学第一(愛知)、東海大学付属諏訪(長野)、八王子学園八王子(東京)、開志国際(新潟)、北陸(福井)、桐光学園(神奈川)、明成(宮城)

【女子】
岐阜女子(岐阜)、県立津幡(石川)、大阪桐蔭(大阪)、明星学園(東京)、八雲学園(東京)、桜花学園(愛知)、東京成徳大学(東京)、四日市商業(三重)

 女子3回戦屈指の好カードと予想された安城学園(愛知)と岐阜女子の一戦は、その予想に違わぬ白熱したゲームとなった。安城学園がリードを奪えば、岐阜女子は得意のディフェンスを締め直して、流れを取り戻す。すると安城学園は合わせや3ポイントシュートなど多彩な攻撃で再び息を吹き返す。そんな展開が続いていた。
 しかし第4ピリオド、リードされていた岐阜女子が追いつくと、そこから一気にギアを上げ、さらに同点以降のディフェンスでは安城学園を3点に抑え込んだ。【57-74】。岐阜女子は昨年度のウインターカップや、東海ブロックの新人大会で安城学園に敗れた悔しさを東海インターハイでしっかりと晴らしたわけである。

 敗れた安城学園のエース、野口さくらが言う。
「岐阜女子に対してアジャスト(対応)できたところもあったけど、対応しきれないところもありました。そこをみんなでカバーできなかったことが、相手のリズムを止められなかったことにつながったのだと思います」
 対応しきれなかったのは岐阜女子の1年生留学生、イベ・エスター・チカンソへのディフェンスだ。野口が続ける。
「岐阜女子に対しては池田(沙紀)さん、藤田(和)さん、そして2年生留学生のハディ・ダフェさんを止めることを前提にしてディフェンスをしてきました。でも1年生の留学生が出てきたときにうまく対応できずに、そちらを守ろうとしたら、池田さんへのディフェンスが緩くなるなど、連動したディフェンスをすることができなかったんです」

安城学園⑦野口さくら

安城学園⑦野口さくら

 6月の東海ブロック大会では直接対戦こそしていないが、それでもビデオを撮影するなど十分なスカウティングはしてきたはずだ。しかしチカンソはそれ以降の約1カ月で加速度的に力をつけてきたということだろう。
 また野口は、同じ女子U17日本代表として「FIBA U17女子バスケットボール ワールドカップ」を戦った藤田が自分をフェイスガード気味に守ってきたことへの対応もうまくできなかったと認める。
「藤田さんがついてくることは予想していましたが、どうやって攻めればいいかまでは考えられていませんでした」
 さらに言えば、第1シードだったことも、どこかで野口を含む安城学園を苦しめていたのかもしれない。野口が言う。
「東海ブロック大会で優勝したことで第1シードになって、注目されているという意識はありました。その意識が勝たなきゃいけないという気持ちを強くさせてしまって、それに体がついていきませんでした」
 敗因を探れば、それは決してひとつに収まらない。チームとしての対応、自分自身の対応、取り巻く環境への対応……そうしたさまざまな要素に打ち勝ってこそ、優勝は手に入れることができる。敗れはしたが、それを学んだだけでも安城学園と野口自身にとって、貴重な財産を得たことになる。

 負けたことで貴重な財産を得たのは、もちろん野口だけではない。
今年度の女子日本代表候補に選出された聖和学園(宮城)の今野紀花もその一人である。聖和学園は東京成徳大学に【73-77】で敗れた。
「出だしがよくなかったし、それ以降も個々の詰めが甘かったり、判断も悪くて、これではひとつ上のレベルで勝ちきれないと感じました。最後は気持ちで負けないようにしたのですが、結果的に負けてしまったということは気持ちでも負けたことになるので、それがすごく悔しいです」
 高校入学以降、常に注目され続けてきた今野だが、これまではあまり自ら「悔しい」などと口に出すタイプではなかった。そうした気持ちが大きく変わったのは女子日本代表候補の選ばれてからのことだ。

聖和学園⑤今野紀花

聖和学園⑤今野紀花

「代表候補に高校生で選んでいただけるというのは、それだけ高く評価してくださったからだと思うし、だからこそほかの高校生には負けたくないという気持ちがありました。日本代表候補としての責任やプライドを持って、自チームも引っ張っていこうと思っていたのですが……だからこそ、こういう結果になってすごく悔しいんです」
 それでも試合中に見せた1対1から精度の高いジャンプシュートやレイアップシュートは、女子日本代表候補の面目躍如と言っていい。
「今年初の全国大会で今自分たちがどの位置にいるのか、全国のトップクラスとどれくらいの気持ちの差があるのかを知ることができました。負けた後で気づくのでは遅いけれど、この負けを絶対に生かさないといけません。ウインターカップに向けて、しっかりと準備をしたいと思います」

 未来の日本を背負って立つべき選手たちが、高校生の今だからこそできる全力のプレーでぶつかりあうインターハイ。しかし高校バスケットの戦いはこれで終わるわけではない。敗れてから始まる戦いもある。

実施要項GUIDANCE

試合日程・結果SCHEDULE

8月2日(木)   男女1回戦

8月3日(金)   男女2回戦

8月4日(土)   男女3回戦

8月5日(日)   男女準々決勝

8月6日(月)   男女準決勝

8月7日(火)   男女決勝